2023/10/09(月)大先生のある日の休日

高い空に憧れたからHi-Liteなんだって - ある近代人
十月某日、私は多忙なのと時間の関係上行けなかった故郷へと
白鐘さんと私鉄沿線に乗って行く事にしました。
故郷と言っても生家とかではなくて、
夏休みとかにたびたび訪れていた親戚の家で、
その日はその親戚の墓参りに付き合ってもらっています。
まずは終着駅で降りてさらに軽く2x分歩いこ、その親戚が眠っている墓地へと行く事に。
私は白鐘さんに墓地にあったお花を回収して、
手入れ用の備品に水を入れてもらってる最中に私はお墓の草むしりをし
途中、少しトラブルがあったものの何とか墓参りを無事終える事が出来ました。
次はさらに歩いて親戚の家...いや、かつて親戚の家だった所へ行ったのです。

「ここですか...私に見せたかった家って」
白鐘さんがそう呟いた家はすでに縁側の木戸も全て閉め切っており時間が止まっている物の、
外から見る分に廃墟と言うよりはここだけ時間が『停滞』していて、
少し整理をすればまた生き返るのではなかろうかと言う家です。
「そう、ここ...ここをね...そろそろ解体するの」
今回、結構ごねて白鐘さんを私の用事につき合わせたのは
親戚がこの家を解体する前に一目、白鐘さんにこの家を見せたいと言うのが最大の理由でした。
「なんか不至の家と何処か似てますね」
と白鐘さんは言うと、私もそういえばそうだなと思い
「外見だけね、でもここは二階とかないよ」
と返すとさらに白鐘さんは質問を重ねてきます。
「へー...ここって入れませんか?」
「蜘蛛の巣がそこら中にあって、床にガラス片が散らばってるよ?」
「あ、これは勘弁して」
と最終的に少し苦笑した白鐘さんを見て、家の事を思い出すと久しぶりにハイライトが吸いたくなったので、
缶から一本取り出して手持ちのZiPPOに火をつけようとするもうまくつきません。
その様子を見た白鐘さんからツインライトを貰い一服する事に。

もうおそらく見れないと思うこの家の最後の雄姿。
線香代わりの煙草を呑みながら過ごす秋の午後の話です。

あとがき

ある休日の出来事をうちの大先生と双樹さんにここで再演(?)してもらう事に。
モデルとなった家はそう遠くない内に本当に解体されるので、
そこにあったと言う記憶だけはここに残しておきたいのです。