2023/09/10(日)頭痛とASMR

女の子の吐息がね、疲れた時には一番の特効薬なんですよ。
ある暑い、厚い、ホットサマーな夜の噺。
書き入れ時の激務をなんとか乗り越え、
いつもようにラジオを聴いていたら急に頭痛が。
きっと熱中症が今頃来たのだなと思ってると
「大丈夫?おにーちゃん?」と心配そうに投げかける声が。
同居人の双樹さんだ。
体調が少し悪いなと思ったら、双樹さんにお願いすれば大体よくなるので、
そういう時は大体お願いしてるし、今がその時だったりする。
「大丈夫...じゃないよね、いつもの...する?」
そう問いかけられるが、当然向こうも答えなんぞは百も承知なので、
双樹さんはさっそく『いつもの』の準備を始めた。

「それじゃ、おにーちゃん、私のお膝枕に頭をのせて?」
双樹さんの指示通りにお膝枕に頭を乗せて、
顔を見上げると「うふふ」と少し笑い施術が始まる。
「お耳触ってくよー」と両耳たぶを細く柔らかい人差し指で撫で始めると、
少しづつ疲れが取れていく。
耳たぶから耳の形をなぞるように内側へそこからまた耳たぶをへと戻ると、
今度は撫でてるほうの反対側を親指で抑えて耳をこするように耳つぼを刺激していく。
これも程よい強さで、内側から耳たぶへと戻るの繰り返し。
「やっぱり大夫お疲れかな?...やっぱりそうだね」
と問いに答える間もなく、双樹さんは納得してく。
どうも耳を触るだけで体調がわかるようになってきたらしい。

「それじゃあ、次は...」
指のマッサージが終わると双樹さんはお膝枕を終えて、
添い寝するように右耳に唇が来るように寝転がる。
「耳ふき...だよね?」
そう言う双樹さんは少しだけ小悪魔のように微笑むと
「やっぱり疲れた時は私の吐息が一番だよね」
とやはり答えがこれしかない問いを優しく囁きながら投げかけてくる。
「知ってるよーおにーちゃん、私が息吹きかけるだけで
...って頭痛いんだよね,,,それじゃあ...はじめるよ」
ほんの少しだけ呼吸をすると、優しく「はぁ...ふー」と息を耳の中へと入れた。
「こんな感じでいいよね...?わかったそれじゃあ」
と確認をとると、先ほどと同じ調子で耳に息を入れていく。
耳に息を吹きかけられるたびに、どんどん瞼が重くなり、
意識もどんどんなくなっていく。
それに比例するかのように、一度に耳の中へと入れる息の量も上げていく。
耳の中ではなく、脳へと吹きかけるように。でも、優しさは忘れずに。

息を吹きかける事数分、おにいちゃんは私の目録通り夢の中へと連れていかれた。
隣で無事ぐうぐうと寝る宛櫛の姿を確認した私は
「今日もお疲れ様、おにーちゃん...また起きたr」
と安心し、なすがまま寝る事にした。
自分の術が解けるまで。一緒に寝よう。
無事目覚めたら、思い切り甘やかしてもらうんだとささやかな願いと共に。

あとがきとまけ

熱い夏の日に実際起きた事を元にかき揚げました。
疲れたときはねー耳に息を入れられるが一番なんです。
...実はその時に実際聞いていたのは双樹さんや冒頭の朝緋さんの作品ではなくて、
ちょこうさぎプチさんの作品だったりします。
後日またロキソニンを飲んで本当に双樹先生のお世話になったのはまた別の御話。


沙羅さん「なんか、距離感バグってない?」
妹「...まあね、その辺りは...沙羅さんも理事長ASMRとか出せばいいのに」
沙羅さん「あれ、本当に欲しいんだ...」
妹「手持ちのやつ(ある朝ダミーヘッドマイクに)だと物足りないって」
沙羅さん「わがままめ」